55-8-6(透視図に関する三つのルネサンス文書 3/5/2001)
さて、アイヴァンスの『On the rationalization of sight』をいったん「見えるものの理性化」と邦訳 した上で、その構成をかいつまんで書く。 表題の短い論文に引き続いて、副題でもある『THREE RENAISSANCE TEXTS ON PERSPECTIVE』が展 開するのだが、問題のノゾキ箱が出てくるのがこの論文中である。 そこで、この「透視図に関する三つのルネサンス文書」を急いで訳してみようと思う。 こちらは遠近法に無知であり、まともに美術史も知らない。とんちんかんなことになるとは思うが、わか らない部分は英語も載せておくので、是非御教示願いたい。 まず、第一節は以下のようになっている。
図1 アルベルティの作図(図44) |
図2 ヴィアターの作図(図45) |
BCは投影された正方形の近い側の線(near side)。消失点AはなんにせよBCの上にあり、見ている者の目 の上、正方形の平面の上に位置する。投影された左右の端はCAとBAとなり、DAはBCと平行関係にある。 アルベルティのシステムにおいては、垂直線はBを通り、E点でDAと交わっている。アルベルティ法ではD 点E点の間の距離、ヴィアター法ではD点A点の距離が、正方形の近い側の線(near side)と見ている者の距離 に等しい。 アルベルティ法においては、正方形の四つ目の線(fourth side of the square)の投影は、DCの線がどこ で垂直線BEを横切るかによって決まる。 ヴィアタ−法においては、DCがBAと交わる点によって求められる。 興味深いことは、A点はどこであれDAの上にあればいいのだが、C点B点の上で中心を取る必要がないこと だ(#?)。この事実のゆえに、正統なる図と距離の作図はBAとBEがたまたま一致したとき、見せかけの完 ぺきな相似性を持つ。 (このあと、2に続く)
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